豊岡演劇祭2020参加『Anti Human EducationⅢ〜PANDEMIC Edit.〜』

2020年9月10日[木]〜12日[土] 豊岡稽古堂

[当日パンフレットより]
東京デスロックと申します。2001年に東京で活動を始めましたが東京への一極集中に疑問を持ち2009年より東京公演を休止、以降様々な国や地域の活動に参画しながら活動を続けています。劇団のメンバーの約半数は劇団青年団にも所属していますので今後も豊岡にはお世話になるかと思います、どうぞよろしくお願いします。
地域での活動では、やはり演劇や芸術の公の部分をどう活かしていくか、演劇を見たこともやったこともない人に、どうすれば生きていくために必要な「演劇=自分の身体を使って人間について考える方法」を手渡すことができるか、ということを考えてきました。東京デスロックという恐そうな劇団名ですが、意外にも小学校〜大学でのワークショップや、子供からシニア世代との作品作りなど“ヤンキーは子供やお年寄りに優しい説”を実証するかのような活動をしてきました。
2011年以降は観客との“場”の共有をテーマに上演をしています。そもそも演劇上演というのは、あるコミュニティの人たちが別々の感想を持つことでコミュニティ内の問題が可視化されたり、協働のきっかけになったりするものだと考えていて、この10年で分断の進んだ日本国内やアジア、世界の状況を考えても、そういった場の必要性が高まっていると感じています。そしてコロナにより“場”を作ることすら難しくなった今、私たちの心や身体、社会全体がさらに窮屈になりました。ひとりひとりに、心のこと、身体のこと、人間について思考を巡らすきっかけを手渡すことは続けなくてはいけません。芸術は時に必要緊急なものです。特に日本に住んでいる人々は緊急時の心のケアの大切さを学んできたはずです。
この作品は2019年に最初のバージョンを作り今回が3バージョン目です。前回はフリースクール の子供たちと授業をつくりました。どのバージョンも子育てや教育の当事者ではない人にとっても自分や社会の問題として教育を考えるきっかけになることを目指して作っています。教育について考えることは、自分について、人間について考えることです。今回はコロナ禍における教育をテーマに、マスクを外せず友達と話もできない子供たち、日々の消毒と現場任せの指針に翻弄され過労死ラインを超えて働く教員たち、そして日々目に見えないものに怯えながら暮らす私たち、これまで何を学んできたのか、これから何を学べるのか、今だからこそ一緒に想いを巡らせられたら嬉しいです。
本日はご来場ありがとうございました。
多田淳之介


構成・演出:多田淳之介

登場人物
1時間目 原田つむぎ
2時間目 夏目慎也
3時間目 松﨑義邦
4時間目 佐山和泉
5時間目 李そじん
6時間目 間野律子

舞台監督:熊木 進 演出助手:得地弘基 制作:服部悦子 寺田 凜(合同会社syuz’gen)

取材協力
中村陽一(海城中学高等学校教員) 畑文子(埼玉県立大宮高校教員) 吉中真菜恵(神奈川県立藤沢西高等学校教員) 福島祐美(富士見市学校図書館司書) 岩瀬哲(国立理化学研究所横浜研究所研究員) 資料協力|NPO 法人 共育の杜

企画制作・主催:一般社団法人unlock 東京デスロック
提携:豊岡演劇祭実行委員会







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