青年団リンク 東京デスロック unlock#3 『演劇LOVE~愛の3本立て~』



青年団リンク 東京デスロック unlock#3 『演劇LOVE~愛の3本立て~』
2007年9月30日~10月9日 リトルモア地下

本日はようこそおいで下さいました。演出の多田淳之介と申します。
今回のこの3本立て公演は「演劇LOVE」。文字通り演劇への愛を公演にしました。
もし貴方に愛する人が居るならば、その人には幸せになって欲しいと思うでしょう。
その人の為に何かを成すことが出来れば、それが貴方の喜びになる事でしょう。
つまりはそう言う事です。

劇団が演劇の為に出来る事といったら、結局は作品を通じて演劇の魅力を伝える事しかありません。
現在東京デスロックはunlockシリーズを展開中です。unlockシリーズというのは、「俳優が目の前にいる事」を演劇の魅力として、演劇の可能性を提示していこうというシリーズです。

東京デスロックはシリーズ毎に演劇のどの魅力に焦点をあてるかが違います。
unlockシリーズも演劇のある一つの魅力を提示しているだけで、演劇にはもっと沢山の魅力があるのです。

ということでunlock第3弾は、過去の2シリーズ、劇場以外の場所での上演を目的とし、戯曲と俳優を連れて旅に出る「CARAVANシリーズ」から『社会』を、既成の演劇の手法を見直す事で演劇の可能性を広げようという『演劇を見直す演劇』から『3人いる!』をピックアップし、unlockシリーズ新作『LOVE』とあわせて上演する事で、少しでも多くの演劇の魅力、可能性を提示したい、という公演です。

2005年、2006年に上演した2作品の再演と2007年現在の新作、3作品観られた方には、東京デスロックという一劇団の変容もお楽しみ頂けるかと思います。
それは一概に東京デスロックだけの変容とも言えません。現代口語演劇という演劇方式の変容の一例でもあるでしょう。
シリーズ毎にスタイルを変え続けていく我々にとっては、変容の様を観ていただく事も一つの表現と考えています。
ご予定合いましたら是非3作品ともご覧下さい。

各作品に少し触れておきます。
『社会』は割とスタンダードな現代口語演劇、普段私たちが使っているような言葉、コミュニケーションを利用し劇空間を構成します。
日常をどう切り取り劇化するかというところが作家によって差が出るところです。
2年前に書かれたこの戯曲は、たいそう性格の悪い切り取り方をしています。そしてタイトルが『社会』です。
作家は、社会の集団性と個を切り取り並べたのだと思います。今回はその点を考えて演出しました。

『3人いる!』は、「役」の概念を見直した作品です。ベースは現代口語ですが、世界の構造は我々の住む世界とは大分異なります。
異世界へ行けるというのも演劇の魅力でしょう。異世界を描く事で我々の世界を映し出す為の手段としては、演劇はどんなジャンルよりも向いていると思います。何しろ俳優が目の前で演じているわけですから。

『LOVE』は、もちろん愛を描いた作品です。もちろんこれも現代口語演劇を基にして作られています。
僕は現代口語演劇が演劇にもたらしたものは、コミュニケーションだと思っています。
俳優が舞台上でコミュニケーションを取る事による圧倒的なリアリティから、演劇は観客のイマジネーションをどこまでも広げていきます。
「LOVE」というタイトルのもとに、皆様のイメージがどこまでも広がる事を願います。

3作品に共通しているのは、リアリティとイマジネーション。こちらを踏まえてご覧頂くと一層お楽しみ頂けるかと思います。

最後に、お手元(以外にも)に他公演のチラシがございます。もし気になった公演がありましたら是非観に行って下さい。
本日はご来場いただきましてありがとうございます。今後とも演劇をよろしくお願い致します。
演劇LOVE。
(当日パンフレットより)


黎明期『社会』  作・演出 多田淳之介



出演
高山…夏目慎也  林…永井若葉(ハイバイ)  小松…海津忠(青年団)
斉藤…佐山和泉  松原 …ギリコツカサ(野獣会JAPAN)  島田…多田淳之介


転換期『3人いる!』  作・演出 多田淳之介



出演
夏目慎也 佐山和泉 岩井秀人(ハイバイ)


現在『LOVE』  作・演出 多田淳之介



出演
佐山和泉 坂本絢 白神ももこ(モモンガ・コンプレックス) 髙橋智子(青年団)
石橋亜希子(青年団) 宮嶋美子(風琴工房) 夏目慎也

舞台写真:青木司 制作:東京デスロック



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